使い方次第では怖いどころかリスク回避にもなり、取引チャンス拡大にもなるのですが、よく分からないから怖いと思われがちな信用取引を解説していきます。
・信用取引とは
株式取引には、現金による株式の受渡しを行う「現物取引」と、証券会社から株式の購入代金を借り入れたり、株式を借りて取引を行う「信用取引」があります。
現物取引は、口座開設すれば通常行える取引ですが、信用取引は、証券会社が資金貸付や貸し株という信用を供与して行う取引なので、一定の審査があり委託保証金を差し入れる必要があります。
信用取引認可され保証金差し入れた後は、その委託保証金の約3倍の取引が可能となります。
これから信用取引の便利な点を上げつつ、信用取引の具体的な説明をしていきたいと思います。
まず、信用取引では現物取引では出来なかった、信用売り(空売り)と言う行為が出来るようになります。
一般的な株取引である現物取引では、株式を買って初めて売ることが出来るのですが、信用売りは株式を持っていなくても、株式会社から株式を借り入れ、いずれ買い戻して返還する事を前提に売ることが出来ます。
これによって、株式相場が下げる方向に進んでいたとしても利益を上げる事が出来るようになります。
特に悪材料が出た時には、現物取引では不可能だった、売ってから買い戻すと言うチャンスが出て来ます。
次に「委託保証金の約3倍の取引が可能となります」と先ほど書きましたが、その通りに保証金として差し入れた資金の3倍まで取引が出来るので、うまく運用すれば3倍の利益を生み出す事が出来るようになります。
また、この保証金ですが現金のみならず株式(ただし時価に一定の評価率をかけて算出)でも良いので、A社株式を保有しつつ、それを担保にしてA社株式を購入すると言う、いわゆる信用と現物の2階建てもする事が出来るようになります。
1日の信用余力を使い果たすまで何度も回転取引(同じ銘柄で売り買いを繰り返す事)を差金決済を気にせず行う事が出来ます。
最後に現物取引より手数料が安い場合が多いので、特にデイトレードや短期売買を繰り返す人にとっては信用取引の方が手数料小額で済む事が多いです。
将来近いうちに委託保証金の率の引き上げがなされる事が発表されています。
具体的な決定はされていませんが、変更された際は維持率に注意しておいてください。
・信用取引の注意
信用取引が怖いものだとよく言っている人がいますが、それは間違った認識だと思います。現物での買いと、それと同額の信用での買いのリスクは同じです。適 度に使えば色々な手法が使え、手数料も安く済むメリットがあるので利用価値は十分です。しかし利用の仕方で怖いものになる場合がありますので、ここでは注 意点を書いておきます。
一番効率的な使い道は、手数料を安く済ませる為だけに利用して、保証金の範囲内で信用取引を行う事です。レバレッジを効かせるのであれば細心の注意を払うようにしましょう。
信用取引でレバレッジを効かせている場合、利益も多く見込めますが損失も多くなってしまいます。
気持ちが過熱して資金注ぎ込み過ぎないように注意しましょう。
信用取引は、言ってみれば借金あるいは借株をしている状態なので、いずれ返済しなければなりません。余裕資金の中で株式購入しただけであれば問題ないので すが、自分の思惑と反対に動いた時には、含み損を回収するまで信用建てを維持していくには利息がかかってしまいます。
また、利息がかかるという点では、値動きが全く無い銘柄の長期保有目的にはあまり向きません。
また、証券会社の決めた信用保証金維持率が維持できない場合には、追証が発生します。
これを無視していると強制決済され信用取引凍結されてしまいます。
出来るだけ信用取引は、追証が発生しないように維持率を200%以上で、理想を言えば保証金の範囲内で行うようにしましょう。